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芸名って

芸名、ステージネーム、ペンネームとか、昔は特定の方が使っていたイメージですが、最近ではSNS等のハンドルネームで本名以外のお名前を使っている人も多いと思います。

私は、平成9年に都山流尺八楽会という団体の試験を受け、師範となりました。

その時にいろいろな方に相談をしました。最初に相談しましたのは、幼少の頃より習っておりました三好芫山師、次に相談しましたのは山本邦山師、いずれも自分で考えろということでした。当時、大学には人間国宝であった山口五郎先生もいらっしゃったので先生にも、、、「この度、師範試験に合格して◯山と名前をつけないとなのですが、、、何か良い字はないでしょうか?」とお聞きすると、先生の穏やかな口調で「僕は本名だからね〜」と、、、「ですよね〜」と会話させていただいたのを覚えております。

しかしながら、試験に受かってから名前(山号)の申請に幾日か正確には覚えてませんが、一ヶ月程度だったと思います。

 

これまでの都山流の諸師先輩のお名前を色々調べました。

敬称は省略させていただきますが、当然ながら芫山、天山、凛山、帆山、真山、、、と、『◯んざん』と韻を踏む系。

邦山、道山、静山、醒山、篁山、、、と、『◯う(い)ざん』と流れる系。

ほぼほぼ、どちらかの読みをされる方が多かったです。

私は、京都生まれで都山流の本部は京都にあり、合奏の練習などでよく本部には行ってました。そこには、これまでの都山流のレジェンドの写真が飾られており、流祖中尾都山、その門人の初代星田一山、初代北原篁山、、、その中に森田鸞山というお名前もありました。なぜかその「もりたらんざん」、当然お会いしたこともない森田鸞山という「らんざん」の読みが、しかも親鸞の鸞の字が印象に残っていました。

そこで辞書を引っ張り出して、『らん』の読みでしら出てみると、『藍』の字に出会ったのです。

 

そこには、『出藍の誉•••青は藍より出でて藍より青し』

意味は、「弟子が師よりもすぐれた才能をあらわすたとえ。青色の染料は藍から取るものだが、もとの藍の葉より青くなることからいう」と、師から弟子を褒める言葉らしい、、、ですが、この度、改めてグーグル先生で調べてみました。

 

元は、中国の荀子の教え『勧学』の中にある一節ということでした。

それが、上記の漢文です。荀子が学びというのは大切である、積み重ねによってさらに発展していくと説いたものです。

 

世阿弥の「初心忘るべからず」!!改めて、自分の名前について調べてみましたが、新しい発見があり、まさに『勧学』の通り学ばせていただきました。